だけど…
今年になってからたびたび聴くようになった
高田みづえさんの曲。
声が良くて、おそらく時代的にアイドル路線に乗ったものの、演歌を志したかったのではないかと思わせる歌詞の世界を表現する力がある。
7月3日にブログで公開した「硝子坂」は何度も何度も車の中で歌って練習した。https://tsuksh.hatenablog.com/entry/2021/07/03/080410
だいぶん上手に歌えるようになってきたと思うが、歌詞を歌っているうちに、少し引っかかりを感じることが多くなった。
(作詞は島武実)
“いじわるなあなた” に恋をしている少女の
夢の中の風景を歌っているのはわかる。
“見知らぬ人” とは誰?
“うれしいはずの問いかけに
なぜか素直になれなくて
それはあなたの
せいだと言えないわ”
ここがわからない。
歌謡曲としては珍しく3番まである
この曲だが、
「手招きだけをくり返す」あなたに
追いつけない少女のもどかしさを歌う2番までに比べて、3番でいきなり感情が冷めている。
ということを思い、ほかにこの曲を考察している人はいないのか、とググってみると見つけた。
他ブログだけど、アメブロの茶々吉24時さんの
“昭和歌謡あれこれ Vol.18 不思議な心象風景 高田みづえ『硝子坂』”
https://gamp.ameblo.jp/ikebero/entry-12396640478.html
見事に読解してくださってました。
難しさを感じさせない上手な文章に納得。
茶々吉24時さんが終わりの方で
“作曲は宇崎竜童さん。
「いじわるなあなたは」
のメロディーがどこか
山口百恵ちゃんの『Playback Part2』
「ばかにしないでよ」
の部分と似ている気がします。”
とおっしゃっていますが、
この2曲、手法としてはまったく同じですね。
ジャン! というBメロのキメの伴奏から
無伴奏で歌う「いじわるな あなたは」と
「バカにしないでよ」 の音列は
「硝子坂」は
ラララララー ラファソソー
「プレイバック part 2」は
ソソソソソー ソミ♭ファー
「硝子坂」はニ短調、「プレイバック…」は
ハ短調の曲なので、そっくり同じです。
(カラオケならキーを2つ変えているだけの違い)
こちらも比較して聴くと面白いです。
夏のヒロイン
夏の大きなイベント、
吹奏楽コンクールが終わった。2年ぶりの大会が近づいてくるにつれて、
あー、この感じ、久しぶりだなあ
と思っていた。
学校が夏休みになった7月22日から、毎日午後に3時間の練習。地元のホールも使わせてもらい、徐々に細部まで仕上げていく。
というのが例年のやり方なんだけど、今年は本当に遅れていた。追い込み時期に3時間しか練習できないのは辛かった。
焦っちゃいけないと何度も自分に言い聞かせて、しかし大会3日前になっても演奏が安定しない。
今年の直前合宿ではコロナの影響で、2日間の練習場が1日ごとに変わった。不運ではあったがこれが良い方に転がったと思う。
高い天井の場所での演奏に戸惑いが出る。
ということがわかってきて、戸惑いがある奏者には直接、演奏中に棒でメッセージを伝えるように心がけた。
大会前日には、信頼する友人のH君に無理言って来てもらい、表情付けの後押しをしてもらった。これで仕上がったと実感。
本番のホールはステージ上の時差がほとんどないことがわかっていたので、本番にはアンサンブルでの不安を感じずに済むだろうとも、楽観的に考えていた。
この大会が近づいてきてからは他のことが考えられなくなり、ブログの更新もTwitterやインスタも放置状態になっている。
吹奏楽部顧問の夏のイベント、これで22回目。
Rock'n Rouge
先週の学校祭で演奏した2曲、「インフェルノ」と「青と夏」は、どちらもMrs. GREEN APPLE(ミセス・グリーン・アップル)というロックバンドの曲である。
普段から好んで聴いているジャンルではないため、ロックバンドの音楽を吹奏楽に編曲するには、まず音楽に耳を鳴らす必要があった。ドラムのリズムとベースラインはまだ聴き取りやすいが、キーボードとリードギター、コードギターを聴き取るのがとても難しい。クラシックの耳で聴いてしまうと「ギューン!」とした響きに塗りつぶされてしまう。
恥ずかしながら2年前に書いた「青と夏」の場合は、実はイントロのメロディーが聴き取れず、かなり創作してしまった。
自分が言うのも何だが(誰も言ってくれないし)この編曲はとても良い。原曲の味わいを出来るだけ再現できるように挑戦するのはいつものことだが、この時は特に、ロックバンドの音楽としてのカッコ良さから、吹奏楽としてのカッコ良さへ変換するように心がけた。具体的には、ギターの得意技である細かいアルペッジョを含んだ音型は、木管群のリズムを変えたロングトーンに変換している。レガートにしてしまうと、アタックが流れてしまい、ギターの撥弦な感じが薄れてしまうため。
また、ロックバンドでは合成音で出せるのだろうけど、氷がぶつかる音とか、急激な上昇音とかを生の打楽器で工夫できるのも楽しい。この「青と夏」ではCメロの後のサビ冒頭のドラ一撃が指揮者にはたまらない快感!(動画では3分33秒くらいのところ)
今年書いた「インフェルノ」では少しズルい手を使って、YouTubeにたくさんある「弾いてみた」を参考にした。さすがにロックバンドのドラマーは技術が高く、特にフットペダルのテクニックが凄い。高校生の打楽器奏者に提供するには、何よりも演奏しやすさを重視した。