Rock'n Rouge
先週の学校祭で演奏した2曲、「インフェルノ」と「青と夏」は、どちらもMrs. GREEN APPLE(ミセス・グリーン・アップル)というロックバンドの曲である。
普段から好んで聴いているジャンルではないため、ロックバンドの音楽を吹奏楽に編曲するには、まず音楽に耳を鳴らす必要があった。ドラムのリズムとベースラインはまだ聴き取りやすいが、キーボードとリードギター、コードギターを聴き取るのがとても難しい。クラシックの耳で聴いてしまうと「ギューン!」とした響きに塗りつぶされてしまう。
恥ずかしながら2年前に書いた「青と夏」の場合は、実はイントロのメロディーが聴き取れず、かなり創作してしまった。
自分が言うのも何だが(誰も言ってくれないし)この編曲はとても良い。原曲の味わいを出来るだけ再現できるように挑戦するのはいつものことだが、この時は特に、ロックバンドの音楽としてのカッコ良さから、吹奏楽としてのカッコ良さへ変換するように心がけた。具体的には、ギターの得意技である細かいアルペッジョを含んだ音型は、木管群のリズムを変えたロングトーンに変換している。レガートにしてしまうと、アタックが流れてしまい、ギターの撥弦な感じが薄れてしまうため。
また、ロックバンドでは合成音で出せるのだろうけど、氷がぶつかる音とか、急激な上昇音とかを生の打楽器で工夫できるのも楽しい。この「青と夏」ではCメロの後のサビ冒頭のドラ一撃が指揮者にはたまらない快感!(動画では3分33秒くらいのところ)
今年書いた「インフェルノ」では少しズルい手を使って、YouTubeにたくさんある「弾いてみた」を参考にした。さすがにロックバンドのドラマーは技術が高く、特にフットペダルのテクニックが凄い。高校生の打楽器奏者に提供するには、何よりも演奏しやすさを重視した。