つくしの春

毎日の晩飯と弁当、音楽のこと

なんてったってアイドル

21日の月曜日から部活が再開している。

緊急事態宣言下では原則部活禁止になり、

やっと学校祭や夏の大会に向けての練習ができるようになった。

スポーツならば試合に向けて実力をつけていくのだろうが、音楽の場合は人目にさらされて実力をつけていく。久しぶりに人に聴いてもらえる本番があるというだけで頑張ろうという意欲が湧く。

部活の中では私の指示はいつも「音を曲げない」「きちんと下がる」「強拍とアウフタクトの歌い方」ばかり。これしか言わないと言ってもいいくらい。しかし管楽器の奏法の基本はこれに凝縮されているんじゃないかと思っている。(もちろん異論は認めますよ)

 

そして表現技術について。15〜18歳という高校生の年代では、大人の感情を表現できるようになり、身体的な成長が一応完成する。指先や呼吸の運動機能が一人前になることで、大人としての演奏ができるようになるのだと思う。

ピアノやバイオリンなどではもっと若い年代でも成熟した演奏が聞かれるが、管楽器ではもう少しあとの年代になってから、充実した表現力が備わるのかな、という印象を持っている。

 

何を言いたいのかというと、今日の部員たちの練習は、「YOASOBI」というアーティストの曲を吹奏楽に編曲したものだったのだが、このユニットのボーカルは、ものすごく高いテクニックを持っている。ピアノで作曲しているんだろうなと想像できるように、歌のメロディーラインが鍵盤を駆け巡るようだ。そういう意味では管楽器的でもある。

 

ここで、技術が高い! とこれまでに私が感動した歌手と楽曲を挙げたくなった。

(アイドル歌手ばかりだけど)

1.高田みづえ「パープル・シャドウ」f:id:tsuksh:20210624223900j:image

https://youtu.be/9xBfKirYbKk

最近知った曲なのだが、当時の高田みづえさんは18歳。実力派のアイドルだった。歌詞の内容が「木綿のハンカチーフ」と設定が似ているなーと思ったらやはり松本隆作詞だった。

作曲編曲は都倉俊一で、小気味良いスネアドラムのリズムが耳に残る。歌う側からするとブレスが忙しいのと、減音程に苦しめられる。

 

[翌日追記]歌詞の中に出てくる「都会から帰ってきた彼氏」がキザというか何というか、「君との愛を忘れてなけりゃ 窓に一房 葡萄を飾るよ」・・・設定の町は葡萄の産地なのかな。作詞の松本隆先生がパープルという色彩を使いたかったのか。それにしてもなんか変わったことを思いつく男だなあと思いました。

 

2.桜田淳子「しあわせ芝居」

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https://youtu.be/l2wB7XPlaxQ

中島みゆきの世界にはじめて入っていった19歳の桜田淳子の曲。まるで管楽器のエチュードというか、ソルフェージュの教材のようなメロディーライン。私は酔っ払った挙句にこの曲をカラオケで歌うのが好き。なんだか実技試験を受けている気分になる。

 

3.松田聖子レモネードの夏

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https://youtu.be/04BFngFSVlA

渚のバルコニー」のB面だったこの曲は、メロディーとしては不自然なほどの半音階を使っている。作曲は呉田軽穂(松任谷由実)。松田聖子はサラッと歌ってしまうが、これをレコーディングのレベルの正確さで歌うのは至難の業。

[翌日追記]歌に出てくる半音階といえば、アルバム「Silhouette」の2曲め「白い貝のブローチ」もかなりの難物。これは財津和夫作曲。

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https://youtu.be/gQ-v_I__pOM